
イエスの純福音・無教会の精髄・第二の宗教改革へ
― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
We read the Bible with all our hearts. And we move forward powerfully in this era of turmoil with trust and hope in God.
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最終更新日:2025年4月8日
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紹介・書評 011
2025年4月8日
さかまき・たかお
Lectures by Mitsuo Miyata
宮田光雄講演録
「ボンヘッファーに出会う旅」
- 等身大のボンヘッファーに触れる -
エッサイの木、2025年1月刊
私は何ものなのか? 孤独の中で迫るこの問いが私を嘲弄(ちょうろう)する。
私が何ものであれ、あなたは私をご存じだ。あなたのものだ、私は。おお神よ!
(ボンヘッファー獄中詩「私は何ものなのか」より)
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D・ボンヘッファー
* * *
宮田光雄講演録
『ボンヘッファーに出会う旅』
以下の文章は、講演録『ボンヘッファーに出会う旅』(CBS仙台)の著者・宮田光雄氏(注1)への〈感謝の便り〉として記したもの。
なお、講演録の中の「ボンヘッファーに出会う旅 -ボンヘッファー研究 60年」は、2023年10月7日に行われた〈エッサイの木〉開店記念講演の記録である。
* * *
敬愛する宮田光雄先生
各地で桜の便りが聞かれる候となりました。
・・・
今、先生の御講演録「ボンヘッファーに出会う旅 -ボンヘッファー研究 60年」を繰り返し、読ませて頂いております。
この講演録には、ボンヘッファーについて綴(つづ)られた文章と共に、ボンヘッファー年表に加えて、彼と関わりのある多くの歴史的な写真-ボンヘッファーと婚約者マリーアの人物写真、ウエストミンスター大聖堂にあるボンヘッファーの立像、彼が刑死したフロッセンビュルク村にある教会堂のボンヘッファー額、拘禁されたテーゲル軍用刑務所の独房、ボンヘッファーのドイツ語原著(『共に生きる生活』、『抵抗と信従』)の表紙、ボンヘッファーハウス-等が掲載されていました。
貴重な写真資料の数々とも相まって、御本にはボンヘッファーの生涯と思想の最も大切な部分が実に分かりやすく、また親しみ深く描かれており、これらが読者の眼前に生き生きと映し出されます。
この講演録を読み終えたとき、私は、暖かく熱い語りを交えた稀代(きたい)の〈短篇ドキュメンタリー〉を見終えたかのような感動を覚えました。
とくに終章では、ボンヘッファーの『獄中書簡集』の言葉を取り上げ、私たち自身が神に受容された者として他者と連帯し、〈終末的な希望〉に励まされながら、この時代を力強く歩むべく招かれているのだということが語られていました。
またボンヘッファーの平和講演として有名な「ファーネー講演」(『告白教会と世界教会』新教出版社刊に収録)を取り上げて、新たな〈戦争の時代〉に直面している私たちが、自らの課題として〈平和と共存の道〉を歩むべきことが明確に示されていました。
これらの言葉は、困難な時代に向かいつつある私たちへの、暖かい励ましの言葉であると同時に確かな道標(みちしるべ)でもあります。
一緒に手元に届いたボンヘッファーのライフワーク『倫理』の画期的な新訳(注2)はまだ精読はしていませんが、御著『ボンヘッファーに出会う旅』には、先生が心血を注いで携(たずさ)われた新訳『倫理』のエッセンスが込められているのではないかと感じました。
先生のお勧めにしたがって『ボンヘッファーに出会う旅』を先に読むことにより、ボンヘッファーがずいぶん身近に感じられるようになりました。
おかげさまで、ヨーロッパ思想史や神学に疎(うと)い私にも、物怖(ものお)じすることなく、大著『倫理』に取り組む(立ち向かう?)勇気が与えられました。
また、御講演録『ボンヘッファーに出会う旅』と新訳『倫理』が、時を同じくして出版されたことに、読者に対する先生の深いご配慮を感じます。
今回の経験から、友人たちにもぜひこの2冊をセットで入手することを勧めたいと思います。
・・・
気温差の大きな日が続いております。先生どうぞ、お体、主にありてご自愛ください。
・・・
2025年3月26日
さかまき・たかお
♢ ♢ ♢ ♢
*宮田光雄講演録『ボンヘッファーに出会う旅』(2025年1月、CBS仙台発行、72項、本体 1,000円+税)は、仙台市のキリスト教書店「エッサイの木」に直接、注文するとスムーズに入手できます。
■「エッサイの木」への注文方法
同店の電話・FAXまたはHPにて直接、購入手続きができます。
電話・FAXから
電話: 022 - 223 - 2736
FAX: 022 - 302 - 6678
ホームページから
パソコン、スマートフォンの「検索らん」に エッサイの木 と入力し検索→同店HPを開く→「商品ページ」にて購入手続きに進む。
■受取り
店頭受取(エッサイの木)、通常配送、宅配便(宮城)のいずれかを選択できます。
注1 宮田 光雄(みやた・みつお)
1928年、高知県に生まれる。
東京大学法学部卒業。東北大学名誉教授。
長年、学生聖書研究会を主催して伝道に献身し、自宅内に一麦寮(いちばくりょう)を建てて信仰に基づく共同生活を指導してきた。
主な著書は『西ドイツの精神構造』(日本学士院賞)、『政治と宗教』、『ナチ・ドイツの精神構造』、『現代日本の民主主義』(吉野作造賞)、『非武装国民抵抗の思想』、『キリスト教と笑い』、『聖書の信仰』全7巻、『国家と宗教』(以上、岩波書店)、『宮田光雄思想史論集』(創文社、現在は講談社)、『権威と服従』、『《放蕩息子》の精神史』 、『抵抗と服従』、『私の聖書物語』、『バルメン宣言の政治学』(以上、新教出版社)他多数。
(『ボンヘッファーに出会う旅』の著者紹介より抜粋)
注2 ディートリッヒ・ボンヘッファー著/宮田光雄監訳『倫理』 DBW版・新訳
新教出版社、2025年1月刊、総ページ 810項、四六版・価格 6,930円(税込み)
D・ボンヘッファーがライフワークとして取り組み、ヒトラー抵抗運動中に書き継ぐも(1940年、34歳執筆開始)、ナチによる逮捕と刑死(1945年4月、39歳)によって、ついに未完に終わった『倫理』。
長らく『現代キリスト教倫理』(森野善右衛門訳)として読み継がれてきたが、ここに新版ボンヘッファー全集第 6巻(DBW6、ドイツ語版)に基(もと)づく全く新たな訳が完成した。
ナチ監視下に慌(あわ)ただしく書き継がれたボンヘッファーの草稿を綿密な判読と徹底的な校閲により再構成し、膨大(ぼうだい)な脚注を付した本書は、著者の構想を余すところなく明らかにし、現代キリスト教倫理の可能性を鮮(あざ)やかに指し示す。