イエスの純福音・無教会の精髄・第二の宗教改革へ
― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
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最終更新日:2025年1月14日
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人物紹介 002
2024年11月2日
さかまき・たかお
うちむらかんぞう
【内村鑑三】
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☆評伝・藤井武告別〖 ああ、勇士は倒れた / Alas, the Warrior Has Fallen 〗
☆預言の声矢内原忠雄〖時勢の動きと預言者の声②〗
☆内村鑑三特愛の讃美歌
晩年の内村
* * * *
1861(万延2).3.23~1930(昭和5).3.28
思想家、キリスト教伝道者。
無教会(むきょうかい)という、海外から輸入された諸《教派》によらない日本独自のキリスト教信仰のあり方を唱道。
江戸小石川の高崎藩武士長屋に生まれた。高崎で幼年時代を過ごし、厳格な儒教教育を受けた。東京外国語学校(のち東京英語学校、東京大学予備門)を経て、1877(明治10)年、札幌農学校の官費生となった。
同年、W.S.クラークの残した「イエスを信ずる者の契約」に署名し、1878(明治11)年、メソジスト監督教会M.C.ハリスより受洗し、キリスト教に入信。
同校卒業後、開拓使(のち札幌県)に就職、この間、同窓の新渡戸(にとべ)稲造、宮部金吾らと外国の教派から独立した札幌独立教会を設立。
1883(明治16)年、札幌県を辞し東京に出て、農商務省水産課に勤務。日本産魚類目録の作成に従事。しかし、志を得ず、1884(明治17)年11月、結婚の破局も重なって渡米。
1885(明治18)年1月、ペンシルベニア知的障がい児養育院の看護人となった。同年9月、新島襄(じょう)の斡旋(あっせん)でアマースト大学に入学。
1986(明治19)年、J.H.シーリー総長の感化により《回心》を経験。
1887(明治20)年、同大学卒業後、ハートフォード神学校に入学したが病気となり、1888(明治21)年、帰国。
新潟の北越学館の仮教頭などを経て、1890(明治23)年、第一高等中学校(東京英語学校の後身)の嘱託(しょくたく)教員となった。
1891(明治24)年、同校の教育勅語(ちょくご)奉読式で、勅語の天皇の署名に対し宗教的礼拝を拒み、いわゆる「内村鑑三不敬事件」を起こして、職を追われた。
その後、大阪、熊本、京都、名古屋などを流浪しながら、窮乏生活の中から『基督(キリスト)信徒の慰め』(1893年)を刊行、その他『求安録』(1893年)、『余(よ)は如何(いか)にして基督信徒となりしか』(英文、1895年)などの名著を著した。
1897(明治30)年、『万(よろず)朝報』英文欄記者、1898(明治31)年『東京独立雑誌』主筆となり、軍国主義に向かう時代の中で軍備縮小を唱えるなど、政治や社会の矛盾を突く鋭い論調を貫き、ジャーナリストとしても注目された。
同年7月、足尾銅山鉱毒事件で社会正義を主張し、「理想団」の結成に加わった。
日露(にちろ)戦争に際しては、信仰の立場から《絶対非戦論》を唱えるなど、信仰と世界的視野に立つ愛国・正義の論陣を張った。
ロシアとの開戦気運が高まる中、1903(明治36)年、非戦論をゆずらず万朝報社を退社したが、その主張は最後まで変わらなかった。
キリスト教に関しては、1900(明治33)年、雑誌『聖書之(の)研究』を創刊し、生涯その発行を継続した。
第1次世界大戦が起こると、近代文明を批判し、《再臨(さいりん)運動》を展開した。
十字架教と称した福音信仰と「2つのJ(JesusとJapan)」(注1)に捧げた生涯は、独自の《無教会主義》を生み、キリスト教界のみならず、日本の教育、文学、芸術をはじめ、多くの方面に広く、深い影響を与えた。
門弟に、藤井武(ふじいたけし 独立伝道者) 、畔上賢造(あぜがみけんぞう 独立伝道者)、三谷隆正(みたにたかまさ 哲学者・一高教授)、塚本虎二(つかもととらじ 独立伝道者)、黒崎幸吉(くろさきこうきち 独立伝道者、聖書学者)、矢内原忠雄(やないはらただお 伝道者・東京大学総長)、金沢常雄(かなざわつねお 独立伝道者)、政池仁(まさいけじん 独立伝道者)、南原繁(なんばらしげる 東京大学総長)ら、伝道および各界に活躍する有為(ゆうい)の人材を輩出した。
『内村鑑三全集』(新版全40巻、岩波書店、1980-84)がある。
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(参考文献:『キリスト教人名辞典』日本基督教団出版局、1986年、『岩波 キリ スト教辞典』岩波書店、2002年、鈴木範久著『内村鑑三』岩波書店、1984年、 鈴木範久著『内村鑑三の人と思想』岩波書店、2012年、『ブリタニカ国際大百科事典』)
注1 内村鑑三の墓碑銘
以下は、米国アマスト時代に内村が、愛用の聖書に墓碑銘(ぼひめい)のためにとして、書きとめた有名な詩。
I for Japan;
Japan for the World;
The World for Christ;
And all for God.
われは日本のために
日本は世界のために
すべては神のために