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1920~2010.6.24

無教会の独立伝道者。


1920年、日本統治時代の朝鮮の忠清南道生まれ。

1945年、東京大学第二工学部を卒業。

1948年、恵泉女学園高等学校講師。

1950年、昭和女子大学助教授。

1952年、教職のかたわら、東京大学教養学部ドイツ科に再入学。

1954年、同教養学部卒業後、引き続き同大学院にて西洋古典学を専攻。

1955~1958年、西ドイツ・マインツ大学大学院博士課程に留学。

1958年、学位論文 Die Rechtfertigungslehre Luthers を完成。神学博士(マインツ大学)。

1959年、国際キリスト教大学講師。

1963年、東京大学講師(兼任)。

1973年以降はすべての教職から退き、独立伝道者として活動。

三谷隆正(たかまさ)、次いで矢内原(やないはら)忠雄に師事した無教会第三世代、無教会高橋集会責任者。

月刊聖書雑誌『十字架の言(ことば)』主筆。

 

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高橋三郎略歴

 

1920年生まれ。〔旧制〕一高(いちこう)生のとき人生問題に悩み、当時、同校教授だった三谷隆正(1889-1944、内村鑑三門下、教育者・哲学者)に教えを受ける。

 

高橋は、この時の思いを次のよう述懐している。

自分のように醜悪な汚れ切った人間がなぜ生きていなければならないのか、人生の究極的な目的は何なのか、という問題について深く悩んでいた」。

この罪の赦しを真摯(しんし)に模索した姿が、高橋の《福音信仰》の出発点となった。

三谷隆正、1944年没。三谷との学びはわずか1年半であったが、これが高橋の人生において決定的なものとなる。

 

1945年、敗戦。東京大学工学部時代、学内で聖書研究会を開催。

そうしたとき、友人の勧めにより今井館で行われていた矢内原忠雄の集会に出席。以後矢内原の教えを受け、確たる信仰を与えられる。

 

日本の侵略戦争と敗戦に至る歩みは、神に審かれたのだと、深く認識するに至る。それゆえ「日本の真の復興は、悔い改めから始めなければならない」との思いに導かれ、すべてを投げ打って聖書を学ぶべく、苦学生活に入る。

 

19555月、大学間の交換留学生として西ドイツ・マインツ大学に留学し、アドルフ・ハーメル教授のもとでルター研究に取り組む。

 

195812月、帰国。帰国後、生涯を伝道に捧げる道を歩む。

 

1965 1月、月刊誌『十字架の言』を創刊。

 

1985 9月、教育の荒廃を黙視し得ず、真の教育を行うための高等学校設立を提唱。

高橋が創立責任者となり、「キリスト教愛真(あいしん)高等学校」が島根県江津市に創設された。

1988 4月、第一期生入学。

 

1994 4月26日、交通事故で頚髄(けいずい)損傷の大怪我をし、重度障害の身となり、体の自由を失った。

 

しかし、集会で発行している『週報』に、毎号口述筆記による信仰の真理の言葉を書き続けて、高橋聖書集会を守り導く指導をする。

 

20106月24日、天に召される。

(参考情報・文献:高橋聖書集会ホームページ、千葉眞「〔高橋三郎著作集〕最終巻の刊行を祝して」)

 

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著 書
•『ロマ書講義 第1-5』(山本書店 1960年-1971年)
•『ルターの根本思想とその限界』(山本書店 1960年)
•『ドイツから見た日本』(山本書店 1961年)
•『無教会精神の探究 無教会と教会の対話を求めて』(新教出版社 今日のキリスト教双書、1970年)
•『絶望と希望 若人に語る』(教文館 現代キリスト教双書、 1970年)
•『キリスト信仰の本質 イエスからパウロへ』(新教出版社 1971年)
•『福音信仰の政治性』(教文館 1971年)
•『生命の原点』(新教出版社 原点双書、1971年)
•『抵抗と服従の原点』(教文館 1972年)
•『歴史を担うもの 内村精神の展開』(キリスト教夜間講座出版部 1972年)
•『夢と現実主義』(新教出版社 原点双書、1972年)
•『ヨハネ伝講義』(待晨堂 1970年-1972年)
•『地を嗣ぐ者』(教文館 1973年)
•『共観福音書概説』(新教出版社 1973年)
•『教会の起源と本質』(新教出版社 今日のキリスト教双書、1975年)
•『挫折と新生』(教文館 現代キリスト教双書、1975年)
•『主体性の基盤』(新教出版社 原点双書、1975年)
•『地の塩となった人々 わが師・わが友』(教文館 1976年)
•『神の国と地の国』(創文社 1977年)
•『戦いの視点』 (新教出版社 1977年)
•『王としてのイエス マルコ福音書の使信』(教文館 1978年)
•『ほんとうの生き方』(教文館 1979年)
•『なぜ無教会か』(教文館 1980年)
•『青年期の課題』(創文社 1981年)
•『結婚と家庭』(教文館 1981年)
•『世界の福音』(新地書房 1982年)
•『地の塩となった人々 続』(教文館 1983年)
•『荒野の福音』(新地書房 1983年)
•『新稿ロマ書講義』(山本書店 1983年-1984年)
•『担いたもう神』(小綬鶏社 1984年)
•『苦難の証し人』(聖山社 1985年)
•『人生の選択』 (小綬鶏社 1985年)
•『戦後四十年』(教文館 1986年)
•『ダビデの歌 詩篇第1篇〜第41篇講義』(教文館 1986年)
•『使徒行伝講義』(教文館 1987年)
•『マタイ福音書講義』(教文館 1990年-1993年)
•『あなたはどこにいるか 福音を若人のもとへ 正続』(教文館 1990年-1992年)
•『無教会とは何か』(教文館 1994年)
•『新約聖書の世界』(教文館 1994年)
•『ガラテヤ書講義』(教文館 1995年

•『第一テサロニケ書講義・病床雑感』(教文館 1996年)
•『高橋三郎著作集 全11巻』(佐藤全弘、武田武長、熊川忠編 教文館 2000年)

•『高橋三郎著作集 最終巻』(佐藤全弘、月本昭男、熊川忠編 教文館2012年)
•『真理の受肉 週ごとの言葉』(教文館 2004年)
•『真理探究の旅 週ごとの言葉』(教文館 2005年)

 

翻 訳
•『ヒルティ著作集 第10巻 人間教育』(白水社 1959年)
•『日本の無教会運動』(エーミル・ブルンナー著、矢内原忠雄共訳、嘉信社 山鳩叢書、1959年)
•『ヨハネの黙示録』翻訳と註解(エドワルド・ローゼ 三著、浦永光共訳、NTD新約聖書註解刊行会 1974年)
•『テモテへの手紙・テトスへの手紙・ヘブライ人への手紙』翻訳と註解(ヨアキム・エレミアス、ヘルマン・シュトラートマン著、泉治典、大友陽子、木幡藤子、関根正雄共訳、NTD新約聖書註解刊行会 1975年)
•『公同書簡』翻訳と註解(ヨハネス・シュナイダー著、安達忠夫、大友陽子、斎藤顕、杉山好、松本武三共訳、NTD新約聖書註解刊行会 1975年)
•『マルコによる福音書』翻訳と註解(E.シュヴァイツァー著、NTD新約聖書註解刊行会 1976年)
•『パウロ小書簡』翻訳と註解(P.アルトハウス、H.W.バイヤー、H.コンツェルマン、G.フリードリヒ、A.エプケ著、泉治典、大島智夫、小林澈郎、杉山好、松田伊作、森田外雄共訳、NTD新約聖書註解刊行会 1979年)
•『はじめの愛 すべてはキリストのため』(バジレア・シュリンク著、教文館、1983年)
•『神の現実 20世紀に体験した神の奇跡』(バジレア・シュリンク著、大友陽子共訳 第4版 カナン出版、1995年)

(参考文献・情報:高橋三郎『青年期の課題』創文社、1981年、Wikipedia「高橋三郎(無教会)」他)

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