イエスの純福音・無教会の精髄・第二の宗教改革へ
― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
We read the Bible with all our hearts. And we move forward powerfully in this era of turmoil with trust and hope in God.
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最終更新日:2024年12月7日
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1.神名(固有名詞)「ヤハウェ Yahweh」について
①ヤハウェは、旧約聖書におけるイスラエルの神の固有名詞の日本語訳。「ヤハウェ」、「ヤハヴェ」とも表記される。
②この神名は、モーセに啓示され(出エジプト記3:1~15)、ヘブライ語では4つの子音字「YHWH」(ローマ字表記をした場合)であらわされる。
③その意味は、「わたしは、『わたしはある』という者である(わたしは、有って有る者である)」(I AM WHO I AM)または、「わたしは、わたしであろうとする者である」(I am what I will be)であろうと考えられている。
④今日の旧約聖書学によると、YHWHの発音として、「ヤハウェ」が最も信憑(しんぴょう)性が高いとされる。
一方、かつて用いられた「エホバ」(英:Yehowah、独:Jehovah)は、誤用であることが分かっている。
⑤YHWHの日本語訳は、文語訳聖書(明治元訳、1887年)では、「エホバ」とされていたが、岩波訳『旧約聖書』(1998年)では「ヤハウェ」、関根正雄訳『旧約聖書』(1997年)では「ヤハヴェ」としている。
また、日本語訳の日本聖書協会の口語訳『聖書』(1954年)、新共同訳(1987年)、聖書協会共同訳(2018年)を始め、各国近代語訳ではユダヤ教以来の伝統に即して、神名ヤハウェを「主(しゅ)」と訳している。英訳聖書でも同様に、「the LORD」(主)と訳している。
2.「エホバ Yehowah」について
①第二神殿時代以降の古代イスラエル人は、モーセの十戒の第三戒「あなたの神、主の名をみだりに唱(とな)えてはならない」(神名濫唱の禁止、出エジプト記 20:7)などにもとづき、神名YHWHを口にすることを敬遠し、聖書を朗読する際にも、「アドナーイ」(ADONAI、「わが主」という意味)と読み替えた。
なお「アドナーイ」は、ギリシア語70人訳聖書では「キュリオス(主)」と訳された。
②そして、この読み替えを忘れないように、YHWHに「ADONAI」(アドナーイ)の母音符号を添えて書いた(字外音標)。
③このような事情からやがて、神名YHWHの元来の発音は忘れ去られてしまった。
④その後、ヘブライ語研究の未発達なヨーロッパ中世の時代(おそらく16世紀)に、ⅰ 上記(2)-② (YHWH+ADONAIの母音)をもとにして、ⅱ 神名YHWHとADONAI(アドナーイ)の二つの言葉を一つの言葉として読み、ⅲYehowahという合成語が作られ、長い間、ヘブライ語以外ではエホバ(日本語)、Yehowah(英語)、Jehovah(ドイツ語)などと呼ばれた。
⑤しかし、近年の研究によりYHWHの本来の発音は「ヤハウェ」であることが分かり、今ではヤハウェ(日本語)、Yahweh(英語)、Jahwe(h)(ドイツ語)などと読むようになった(関根正雄訳『旧約聖書』では、ヤハヴェ)。
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(参考文献:浅野順一編『キリスト教概論』創文社、1966年。p21~23。『旧約新約 聖書大事典』教文館、1989年、p1207。大貫隆ら編『岩波 キリスト教辞典』岩波書店、2002年、502~503項。N・Tライト『クリスチャンであるとは』あめんどう、2015年、p97~101。W.ブルッゲマン『旧約聖書神学用語辞典』日本キリスト教団出版局、2015年、p494~497。加納貞彦『創世記に学ぶ-21世紀の共生- 上』早稲田大学出版部、2020年、14項)
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