イエスの純福音・無教会の精髄・第二の宗教改革へ
― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
We read the Bible with all our hearts. And we move forward powerfully in this era of turmoil with trust and hope in God.
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最終更新日:2024年12月7日
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<預言の声
近代の預言 015
2022年4月25日改訂
内村鑑三
〖教会と戦争〗
Church and War
本ページ下部に英訳掲載
English translation is posted at the bottom of the page.
関連リンク Related Links
☆ロシア正教会キリル総主教と独裁者プーチン「ロシア正教会の復活祭」You Tubeへ
☆現代の預言〖ロシア正教会の指導者たちへ〗To the leaders of the Russian Orthodox Church
* * *
最近、英国の大思想家 H・G ウェルズ(注1)は、激しい言葉を発して言った。
「〔人の手によって〕組織〔化〕されたキリスト教(教会を指す)は、今日の難局から世界を救うことはできない。
《神の国》以下のものは、〔世界の〕救いを達成できない。そして時は、近づきつつある」と。
まことに教会の無能は、今やますます明白になりつつある。
〔制度〕教会は、バプテスマ(洗礼)を施(ほどこ)し信者を制作して、組織的団体を作った。〔そして、〕この世に多少の勢力を振るうことができた。
しかし〔教会は〕、罪悪の絶頂である戦争を止めることができなかった。また、止めようともしなかった(注2)。
少数の孤児を養うことはできたが、数多くの孤児を作ること(=戦争)を阻止できなかった。
〔制度〕教会は、全体として戦争〔政策〕に賛成し、この世の王(=権力者)たちとその罪を分け合った。それゆえ今や、神は教会を棄(す)てつつある(注3)。
そして教会に期待せず、〔神自ら〕直ちに《神の国》 を〔地に〕降(くだ)して、今日の難局から世界を救おうとされつつある。
そしてウェルズの言うように、その時は近づきつつあるのである(注4)。
人の失敗は、神の時機である。人〔間〕が組織した教会が無能に終わったときに《神の国》が実現し、〔そのことにより〕神の栄光は揚(あ)がるのである。
♢ ♢ ♢ ♢
(出典:内村鑑三「教会と戦争」、『聖書之研究』205号、1917〔大正6〕年8月を現代語化。( )、〔 〕内、下線は補足)
注1 H・G・ウェルズ
Herbert George Wells. 1866-1946.
イギリスの小説家、文明批評家。20世紀初頭の思想界に大きな影響を与えた。
1866年9月21日、ケント州ブロムリ(現ロンドンの一部)の貧しい商家に生まれ、8歳から13歳まで商業学校に通ったのち、徒弟奉公に出され、服地屋の丁稚(でっち)、薬剤師助手など職を転々とした。
1884年、奨学金を得てサウス・ケンジントンの理科師範学校(現・ロンドン大学理学部)に入学。
1888年、優等で同校を卒業。理科教師の生活に入ったが、まもなくジャーナリズムの世界に転じた。
この頃から小説を書き始め、95年に発表した処女作『タイムマシン』は好評を博し、今でもSF小説の古典となっている。
その後も、『透明人間』(1897)、『宇宙戦争』(1898)など科学小説を精力的に発表した。これらはその後、何度も映画化されている
これらの作品すべてに、日常生活の不安定さと未来の人類の位置とその没落が暗示されていることは、注目に値する。
20世紀に入り、文明批評的な関心が深まり、この時期にすでに原爆を使用した科学小説『解放された世界』(1914)等を書いている。
その後彼の社会的関心はますます強まり、予言者的言説を含む文明批評家として『世界文化史大系』20巻(1920)その他の歴史的著述もあり、百科全書的ジャーナリストとしてめざましい活躍をした。
(参考文献:『日本大百科全書 第3巻』小学館、1985(昭和60)年、30項他)
注2 なぜロシア正教会は自国の侵略戦争を止めようとしないのか
☆現代の預言〖ロシア正教会の指導者たちへ〗To the leaders of the Russian Orthodox Church
注3 軍事侵攻と宗教
☆深層NEWS「プーチン大統領を支える”キリル総主教”とは」You Tubeへ
注4 神はわが櫓(やぐら):
主は戦(いくさ)を滅ぼし、地に平和を実現する方。
* *
神はわれらの避け所また力、
悩める時のいと確かな助け。
それ故地は変わり、山が海の最中(もなか)に移っても
われらは恐れない。
その大水は騒ぎ立ち
その高ぶりに山々はゆらぐ。
一つの川、そのいくつかの流れは
神の都をよろこばせ、
いと高き者はそのみ住居(すまい)を聖別される。
神はその中に在(いま)し、都は動かない、
神は朝早くこれを助ける。
民らは騒ぎ、国々は動く。
彼その声を出(いだ)せば地は崩れる。
万軍の〔神〕ヤハヴェはわれらとともに、
ヤコブの神はわれらの櫓。
来て、見よ、ヤハヴェのみ業(わざ)を。
彼は地に驚くべきことをされる。
地の果てまで戦(いくさ)をやめさせ、
弓を折り、槍(やり)をこぼち、
戦車を火で焼かれる。
心を静めて知れ、われこそ神、
わたしは国々の中に高くされ、
地の上に高くされる。
万軍のヤハヴェはわれらとともに、
ヤコブはわれらの櫓」。
(詩篇46:1~12。関根正雄訳)
イエスは言われた。
「剣(つるぎ)を鞘(さや)におさめよ。剣を取る者は皆、剣によって滅びる」。
(マタイ福音書 26:2)
注:櫓(やぐら)とは、砦(とりで)のこと。
* * *
英 訳
English translation
Church and War
Kanzo Uchimura
Recently, British great thinker H.G. Wells uttered fierce words.(Note 1)
"Christianity organized by human hands (referring to the church) cannot save the world from today's turmoil.
The following Kingdom of God cannot achieve the salvation of the world.
And that time is approaching. "
Indeed, the incompetence of the church is now becoming more and more apparent.
The Institutional Church baptized, created believers, and formed organized groups. And it was able to wield some power in this world.
But the church could not stop wars, the culmination of sin. Also it did not try to stop.
The church was able to feed a small number of orphans, but it could not prevent the creation of many orphans (= war).
The Institutional Church as a whole was in favor of war policy. It shared sins with the kings of the world (= powers).
Therefore, God is now abandoning the church.
And without expecting the church, God himself is about to immediately drop the "Kingdom of God" to the earth and save the world from today's difficulties.
And, as Wells says, that time is approaching.
Man's failure is God's chance.
When the church organized by humans ends incompetently, the "Kingdom of God" will be realized, and [by doing so] the glory of God will rise.
* *
Note 2 Why doesn't the Russian Orthodox Church try to stop the war of aggression in its own country.
☆現代の預言〖ロシア正教会の兄弟たちへ〗To the brothers of the Russian Orthodox Church
Note 3 God is my fort.
The Lord is the one who destroys the war and realizes peace in the earth.
Psalm 46 (NRSV)
God's Defense Of His City And People
God is our refuge and strength,
a very present help in trouble.
Therefore we will not fear, though
the earth should change,
though the mountains shake
in the heart of the sea;
though its waters roar and foam,
though the mountains tremble
with its tumult.
There is a river whose streams
make glad the city of God,
the holy habitation of
the Most High.
God is in the midst of the city;
it shall not be moved;
God will help it when the
morning dawns.
The nations are in an uproar,
the kingdoms totter;
he utters his voice, the
earth melts.
The Lord of hosts is with us;
the God of Jacob is our
refuge.
Come, behold the works of the Lord;
see what desolations he has
brought on the earth.
He makes wars cease to the
end of the earth;
he breaks the bow, and
shatters the spear;
he burns the shields with fire.
“Be still, and know that I am God!
I am exalted among the nations,
I am exalted in the earth.”
The Lord of hosts is with us;
the God of Jacob is our
refuge.
Then Jesus said to him,
“Put your sword back into its place; for all who take the sword will perish by the sword.” (Matthew 26:52)
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