
イエスの純福音・無教会の精髄・第二の宗教改革へ
― まごころで聖書を読む。そして、混迷の時代を神への信頼と希望をもって、力強く前進する ―
We read the Bible with all our hearts. And we move forward powerfully in this era of turmoil with trust and hope in God.
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最終更新日:2025年4月8日
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4.英国変異株の特徴
4-①
日本では、2021年2月から英国変異株(アルファ株)が徐々に増加し、流行第4波の5月末の時点で、約90%が英国株となった。
英国株は従来株より強毒化しており、次のような特徴を持つ。
①感染力が強く、子供を含め全世代に感染しやすい。
②若い世代で基礎疾患がない者でも、重症化することがある。
③重症化のスピードが速い。
具体的には、感染力は従来株の約1.32倍とされ、河原でのバーベキューや、マスクを着用し2mの距離を保った演劇稽古中の感染例が報告されている。
1密でも(1mの距離、15分以内の会話でも)感染することがあり、また、マスクをつけていても感染する場合がある(マスクにより感染の危険が減ることは明らかである)。
重症化率は、従来株の約1.47倍である(以上、国立感染症研究所の調査)。
またウイルスの増殖が速いため重症化のスピードが速くなっており、従来株では発症から1週間程度だったのに対し、英国株では5日程度である(国立国際医療研究センター・忽那賢志医師)。
つまり英国株では、一人からあっという間に家族全員に感染し、高齢者のみならず30代~50代でも急速に重症化することがある、ということである。
新型コロナ大流行中の沖縄でも、このような事例が多発している。
なお、重症者の約4割が50代以下である。
4-②
実際、大阪では第3波の約3倍のペースで重症者が増加し、5月中旬には新規感染者が1日1,100人を超え、死者は1日50人前後(1ヶ月換算で1,500人。これは大災害レベルである)に達した。
保健所はパンクし、事実上の医療崩壊となった。
第4波での自宅待機者は約3万人にのぼり、3月以降の短期間で、自宅待機中の死者は大阪府内で19人に及んだ。
中には、陽性判明から一度も保健所から連絡が無いまま、死亡した人もいる。
5.英国変異株の次に来るもの-インド変異株に警戒せよ
5-①
これまで人口14億人に対し、新規感染者1日1万人前後と比較的新型コロナを抑え込んできたインドで、3月から新型コロナが猛威を振い、5月中旬には感染者1日40万人を超える大流行となった。
この大流行をもたらした大きな要因は、インド変異株(デルタ株)であると言われている。
インド株は英国株(感染力は従来株の約1.32倍)よりも、感染力がさらに1.5倍強いと言われている。
つまりインド株の感染力は、従来株の約2倍ということになる(1.32×1.5=1.98)
5-②
このインド株が、日本でも英国株の次の流行主体となることが懸念されている。
その理由の第一は、英国株発祥の地である英国で、諸対策により大きく感染者が減少したためロックダウンが解除されたが、その後5/18には、インド株感染者が2,300人を超えるなど急拡大したことである。
第二は、日本人の約6割が遺伝子の特徴(HLA-A24遺伝子を持つ)から、インド株(のL452R変異)に対して細胞性免疫反応が十分働かず、そのため日本人にとってインド株がより危険である可能性が示唆されており、感染が拡大しやすい可能性があるからである。
(熊本大/鹿児島大ヒトレトロウイルス学共同研究センター本園千尋ら、プレプリントサーバーBioRxiv公開、2021年4月5日参照)
そして、すでに3月下旬には沖縄県の患者でインド株が検出され、その後、5月24日までに国内7都道府県で検出されて、同株の感染確認が29人になったことが厚労省の集計で分かった。
以上より、日本でも今後、急速にインド株に置き換わって大流行する可能性が高く、十分な警戒と備えが必要である。
6.ゲームチェンジャー:新型コロナ mRNAワクチン
6-①
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を前にして、今まで、私たちには100年前と変わらない公衆衛生学的予防手段しかなかった。
それは、マスク・手洗い・ディスタンス(人との距離)であり、3密の回避である。
しかし、一年の暗いトンネルの先に光が見えてきた。
それは新型コロナワクチン、特にメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの登場である。
このワクチンは、新型コロナの来襲に対して圧倒的に不利だった戦いを勝利に導く希望の光- ゲームチェンジャー(状況を一変させるもの)-である。
世界のウイルス学者、免疫学者たちも、mRNAワクチンの効果に驚いている。
実際、mRNAワクチンの発症予防効果は、米ファイザー/独ビオンテック社のもので約95%、重症化予防も約92%である(ファイザー社、臨床試験約18,000人のデータ。モデルナ社のものでも同等)。
6-②
リアル・ワールド(実世界)のデータでは、感染者の8割が英国変異株という状況でファイザー社製ワクチンの接種を開始したイスラエルで、国民120万人という圧倒的なデータを解析した論文がある。
この研究では、接種済みと未接種の60万人ずつの集団を調べている。
(イスラエルクラリット研究所・米ハーバード大学共同研究、Noa Dagan M.D. et al.「BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting」(April 15,2021),N Engl J Med 2021;384:1412-1423.)
論文によると、ファイザー社mRNAワクチンを接種済みの集団では、未接種の集団に比し新型コロナに対する感染は92%少なかった。
また、たとえ感染しても発症は94%少なく、入院する者は87%低下、重症化するケースも92%低下した。
効果は、70歳以上の高齢者を含め年齢に関係なく、肥満者、糖尿病・高血圧などの基礎疾患のある人に対しても有効性は変わらなかった。(『N Engl J Med』誌は医学界の最も権威ある雑誌の一つ。NEJMのホームページ参照)。
日本では、国立感染症研究所がワクチンを接種した医療従事者約110万人を調査し、1回目接種14日以降の感染を約60%抑制する効果が得られたとし(4/30時点)、これはイスラエルのリアルワールドデータと同等のワクチン効果の可能性がある、と報告した(時事通信社。5/15 Nippon News Networkでは同研究所の報告として、「1回目接種28日以降では発症報告は8割以上、減少した」と追加報道)。
7.ワクチンはコロナ後遺症にも有効?
7-①
コロナ後遺症とは、新型コロナウイルス感染後に長期にわたって続く、味覚や嗅覚の異常や倦怠感、息切れ等の体調不良のことで、感染者の約3割が苦しんでいると言われている。
5月21日、英エクセター大などの研究チームは、コロナワクチン接種でコロナ後遺症が改善する傾向がある発表した。
発表によると、後遺症がある800人以上を対象に1回目のワクチン接種後、56.7%の人で症状が改善し、悪化した人も18.7%いた(5/21「中日新聞Web」)。
7-①
なぜ、後遺症が改善するのか。
イェール大医学部・岩崎明子教授は、一つの仮説を提示している。
それは、新型コロナに感染すると回復後も体内に微量のウイルスやその残骸が残り、それらが後遺症を引き起こしている可能性がある。
そこにワクチンを接種すると、活性化した免疫細胞がそれらを一掃して後遺症を改善させるのではないか、というものである。
この仮説は現在、研究中であるが、今後、後遺症改善のメカニズムが明らかにされれば、後遺症の治療法や診断法の確立につながる可能性がある(前掲NHKスペシャル「全論文解読2 AIで迫る終息への道」)。
つづく
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